明石駅の改札で待ち合わせ。大きな荷物を持って待っているお客様は、一人暮らしの96歳。倉吉行きのスーパーはくとを明石駅のプラットフォームで待つ後ろ姿は、とても凛々しく、年齢を感じさせない。
車中、目的地である鳥取県倉吉市までの2時間。お客様とエスコートヘルパーとの会話が尽きない。
その殆どが仕事のお話。農業コンサルタントとして歩んでこられた人生、96歳にしても現役だ。この度の旅行も、わさび農家を訪れてわさびの実験をするのだと。
バスを乗り継ぎ、車に乗り換え、山の中にあるわさび畑へ向かう。
車を降りてから山道を歩く姿は、年齢をまったく感じさせない。高齢者にとって、中腰になる作業は本当にしんどい。
それでも、中腰になってわさびを手に触りながら、農家さんと議論するその姿、妥協なく仕事に取り組むかっこいい96歳だ。
関金温泉に一泊した翌日の帰り道、お客様は私に、「わさびは出荷までに16カ月~24ヶ月の時間が必要。
この度の実験も、2年先に結果が分かるから、その時もまた付添い頼むな!」っと。その時、お客様は98歳。
是非、お伴させてください。