「入院中の祖母を自宅に連れて帰ってあげたい」というお孫様からからご依頼を頂き、病院からの一時帰宅にご一緒させていただきました。
2度の脳内出血で昏睡状態になって2ヶ月余りが経ち、医師からは余命1週間位かもと宣告されているお客様。帰宅にあたってはかなりのリスクが伴いましたが、無事にご到着。玄関ではお孫様やご家族が、「おばあちゃんが戻ってきた」と笑顔で迎えてくださいました。
ご家族と力をあわせてストレッチャーを屋内に運び込んだ後は、お客様を中心にして皆様で思い出話に花を咲かせておられました。
お好きな音楽をかけながらお孫様や娘様が手を握り、意識のないお客様に何度も話しかけるうちに、時折何かを語りかけるように声を出し、足や手もかすかに動かしてくださいました。
皆様が「病院にいるときよりもすごく表情が穏やかだ」と声を揃えておっしゃり、自宅に戻って来られたことを喜んでおられました。3時間ほどの短い時間でしたが、笑いあり涙ありの貴重な時間を共に過ごさせていただき、私にとっても本当に嬉しく、忘れられない思い出になりました。
後日、お孫様より、ご帰宅の翌日にお客様が永眠されたとの連絡を頂きました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。