9月の半ば。
名古屋にお住まいのHさんは、今回しゃらくを利用して2度目の旅行となります。2011年の4月に入院され、7月には退院。酸素吸入をしながら自宅療養をされていました。
ご旅行が好きで元気な時はよく温泉旅行に行かれていたHさん。娘さんもそんなお母さんの姿を思い出し「家の中にばかり居たのではよくない。気晴らしに好きだった旅行に連れて行ってあげたい」と考え始めました。
その後Hさんも温泉旅行に行くことを目標にリハビリに励むようになり、とうとう医師から外出の許可をもらえるまでに回復。しゃらくを利用し、昨秋には温泉旅行を実現されました。そして今回は下呂温泉に行きたいというお電話を娘さんからいただきました。
ご旅行当日は、まさに旅行日和。
酸素吸入器を載せワゴンタイプの介護タクシーで、下呂温泉へ。約3時間30分のドライブになるので体が痛くならないように、車椅子ではなく、ゆったりとした座席に座っていただきました。
窓の外を流れる風景を楽しまれるHさん。見慣れたところでは「ここの近くに川があったね」と昔を懐かしんでおられました。
下呂温泉の旅館に到着。さっそくバリアフリールームのお部屋へ。
庭付きの広々としたお部屋でくつろがれた後、温泉が引かれている内風呂にエスコートヘルパーの介助でご入浴されました。
衣服の着脱もご自身でされるHさん。「自分でできることは自分でやる。」ということが徹底されています。ご入浴後、ほこほこと体が温もってベッドでひと眠りされました。
ご夕食は、重度の方とは思えないぐらいの見事な箸さばきでお料理をご自分の口に運ばれるHさんでした。
翌日は出発前に旅館内の足湯に、ゆっくり足を浸し、心地よさそうなHさん。
帰路、山々の景色を眺めながら、穏やかに過ごされました。
楽しみにされていた温泉旅行。旅行に行くためにリハビリをがんばられ、自分でできる事は、自分でする、できるようにするというHさんの意思の強さに私も感動しました。また、春に一緒に旅行することを楽しみにしています。