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自宅を中心に行く旅行

アルツハイマー型認知症のお客様、今回が2度目の旅行です。

今は施設に入居されており、ほぼ毎日奥様が施設に通っておられる。そんな奥様は、「自宅に連れて帰ってあげたい。旅行に連れていってあげたい」という気持ちから、またしゃらく旅倶楽部を利用してくださいました。

初日、自宅から施設にお客様を迎えに上がり、現役時代に何十年と通い続けられた大阪の元職場に足を向ける。認知症が重く、妻である奥様しか認識できていません。しかし、元職場に到着するなり、足が自然と職場の方に向かれる。

写真:元の職場に向かう

頭では分からなくなったかも知れない。でも、身体がしっかりと覚えておられる。

手を引いて誘導しないと動かれないお客様が、その場の持つ雰囲気に包まれてお客様の心の奥に残る記憶をよみがえらせたのでしょう。

夜は自宅でゆっくり過ごし、久しぶりに奥様の手料理を頬張りました。施設の料理とは違うのか、慣れ親しんだ味だからか、一心不乱に集中力を途切れさせることなく食べられました。

翌日は朝から昔耕されていた畑を見に行かれたり、夫婦で行かれた公園をまわりました。

写真:夫婦で公園をのんびりと散歩

自宅を中心とした小旅行。

手を叩いて今の気持ちを表現されたり、美味しいモノを食べられた時にお顔が緩むのを拝見すると、施設に入居されたお客様にとって、一番望ましい形での旅行だったのかもしれません。

「秋口にまたお願いしたいんだけど…」と最後に言ってくださったことが、エスコートさせていただいた私として何よりも嬉しく思えました。

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