明治42年生まれの100歳のお客様と初めての日帰り旅行に行ってきました。ここ何年間か病院以外の外出はなく、とても楽しみにされていました。
行先は西宮。生まれも育ちも西宮のお客様は、まずは震災まで住んでいたご自宅を訪ねました。
全壊となった家。今は一部だけ残った「洋館」がポツリと建っています。
その洋館を、車の中から眺めながら、記憶の回想を楽しんでおられました。
その後、毎日通っていた西宮えびすへ。久しぶりの訪問で、「変わったねぇ」といいながら、昔、通りなれた道がどこか、その面影を一生懸命探されていました。
いつも一緒に過ごした今は亡き友達と、毎日手を合わせる事が日課だったえびす神社。その神様の前で、当時を振り返りながら手を合わせます。
心の中で、何を思い手を合わせていらっしゃったのでしょう。目を閉じて、手を合わせるその時間が、非常に長く感じられました。
その後、昔通った小学校や中学校、高等学校を見に行き、その当時の大切な思い出の一つひとつを、エスコートヘルパーの私に丁寧に教えてくださいました。
100歳のお客様との旅。ご家族の「まずは近場から」というご要望から実現した今回の旅ですが、「満喫した、小倉さん、ありがとう」と言ってくださったこと、本当にうれしかったです。
次の旅はどこになるのでしょう。
楽しみです。