香川県さぬき市で生まれ育った85才のお客様と、故郷へのお礼参りに行ってきました。
長年の希望だった故郷へのお礼参り。神戸に移り住んでもう何十年、足が動く間は長距離バスで頻繁に地元さぬきに帰られていたお客様。
今は杖歩行で数十メートルぐらいがやっとの状態になってしまったため、しゃらく旅倶楽部に御依頼をくださいました。今回は、お客様に加え息子様・娘様とお孫様との4人での旅行です。
お客様は開口一番に、「今回はお礼参りに行きたい。最後になるかも知れないからな!お別れ参りになるかもしれん」と一言。笑顔でお話するお客様の目は、何処かで寂しさも感じます。
車で2時間、神戸からさぬき市に向かいます。さぬき市に着くと、目の前に広がるきれいな海。
「この海でよく泳いだな~」と、雲一つない空と透き通った海を眺めながら、遠い昔を思い出しておられました。
何軒ものご親戚や同級生のお宅に足を運び、思い出話に花を咲かせたり、地元情報の収集を行っていました。
生きているのは今でも、心の中ではすっかり遠い昔に戻られていたのでしょう。
最後に、ご自身のお母様が眠られている場所へ行きました。
ご家族とご親戚でその場所を探しましたが、なかなか見つかりません。度重なる開発で、以前とは全く別の形に変わってしまったからです。
頭の中では、どこに埋めたのかをはっきり覚えているのに、あまりにも大きく変わってしまったためにお母様が眠っている場所を確定することが難しくなりました。
「間違いない、半径100m以内にはおる」
「これで勘弁してもらわんとな」
と何度も何度もお話するお客様の目は、心の中で母親とお話をしているようでした。
「来年度も元気やったら頼むで」と、家にお送りした際に言ってくださったお客様。絶対元気ですよ、その時もまた、しゃらく旅倶楽部をご利用頂ければ嬉しいです。