心配していた雨もどうにかもって車で6時間。途中4回程の休憩を挟んでの長旅だったにも関わらずSさんは顔色も良く笑顔で弟さん夫婦に再会。
今回、神戸にお住まいのSさんの息子様からのご依頼は、お母様の故郷北宇和郡鬼北町で行われる法事に参加するために二泊三日でおでかけするというもの。
お母様は右半身マヒで車いすの生活を余儀なくされ、日常の生活には何かと介助を必要とされる方。また、失語症を患われているためコミュニケーションは手でのサインが主になります。
お母様をこの機会に是非故郷へ連れて行ってあげたいという息子様からのご依頼でした。
今回のご旅行の2週間前、長旅に備えて一度試験的に出かけた高槻の妹様のお宅。
本番は、その三倍ほどの時間をかけての移動になるため、お母様の体力が心配されましたが、さすがは以前ずっとご自身で運転して行っていたという道のり。懐かしい道を見ながら解説する息子様のお言葉に反応しながらだったおかげか、とてもお元気なご様子で無事北宇和郡鬼北町に到着しました。
初日はご実家に少し寄り、お母様は宿泊が困難なために隣接の宇和島市内にあるホテルに移動しました。ホテルに着くとさすがにお疲れになったのか、晩ご飯もそこそこにぐっすりと眠られました。
二日目、朝から向かったご実家では親戚とご近所の方が勢揃い。懐かしい顔ぶれに時折お母様の眼には涙が見える場面も。
それから一通り法事が執り行なわれ皆でお墓参りに。残念ながらお墓は裏山を登っていかなくてはいけなかったためお母様は断念したもののそのご様子はお写真で見ていただきました。
その後、皆さんでお食事をとりながら談笑。皆に囲まれて楽しい一時をお過ごしになれたようでした。
そして最終日、最後にお母様のご実家の近くで想い出深い場所をいくつか回り、ご親戚にも会っての記念撮影。全員そろっての写真、妹様と義妹様とのスリーショット、そして最後に息子様との二人でのお写真。
この時、お母様のお顔には今回の旅行で一番の笑顔が。「やっぱり息子との写真が一番うれしいんやねー」と妹様。照れながら、素敵な笑顔で写真に写るその姿はとても素敵でした。
そのお姿を拝見していると、不遜ながらも今回のご旅行で何か少しでもお母様やご家族の思い出に残るお手伝いができたのかもしれないと思うことができ、私自身とても幸せな気分にさせていただける旅でした。